遍路31日目:宿毛市内ビジネスホテル




 テレビの報道によると、台風は今日の昼から夕方にかけて最も四国に接近するらしい。なので今日は丸一日なにもしない休息日とする。ホテルの部屋に閉じこもってのんべんだらり。キャラメルコーンや芋ケンピを食べながら、体力と天候の回復をひたすら待つのだ。


雨が止んでいるうちに買い物を済ませる

 雨雲が渦巻く台風は雨の降り方にムラがあり、今朝から降ったり止んだりを繰り返している。風は依然として強く、宿毛に駅がある土佐くろしお鉄道も今日は運休していると言っていた。


洗濯物も面白いくらいに乾かない

 このような天気では、昨夜に洗濯しておいた服もまったくもって乾いてくれない。しょうがないので、換気扇を回しっぱなしのバスルームに干すことにした。こうしておけば、部屋干しよりも乾きやすいと聞いたことがあるのだ。

 引き続き部屋でダラダラする。それにしても芋ケンピはうまい。ポキパリサクッな食感に、甘辛砂糖のコーティング。かっぱえびせんと同等、いやそれ以上に「やめられない、とめられない」というキャッチフレーズがピッタリなお菓子である。

 一袋食べ終えたところで、ふと芋ケンピの食べ比べ記事を書いてみたくなった。高知県内では何種類もの芋ケンピが売られており、どれも個性があっておいしそうなのだ。というワケで、早速最寄りのスーパーで芋ケンピを買いあさってきた。


愛媛県との県境にある宿毛であるが、それでも6種類の芋ケンピがあった

 さすがに今日これらを食べるのは無理なので、遍路が終わってから自宅でじっくり食べ比べてみることにする。結構な荷物であるが、まぁ、明日の朝にでも郵便局から送ってしまえば良いだろう。

 ちなみに芋ケンピ以外にも、芋ではなく小麦粉を使ったビスケットのような「ケンピ」や、小魚を砂糖でコーティングした「きびなごケンピ」なるものまで売られていた。いやはや、土佐のケンピは実に奥が深いものである。


夕食は弁当に加え、カツオのたたきとブリの刺身

 結局のところ台風は昨夜ほどの勢いはなく、昼には温帯低気圧へと変わり、上陸もせずに通り過ぎて行った。まだ雨は断続的に降り続いているものの、明日からはまずまずの天気になるようなので、朝までには止むことだろう。

 思わぬ宿毛でのホテル二連泊に懐が少々傷んだが、夕食はあえて少し豪華な海鮮祭りと洒落込んだ。明日から再び歩き出す、その英気を養うためのご馳走だ。高知県は芋ケンピもうまけりゃ魚もうまい。それが例えスーパーの半額見切り品であっても、である。本当、明日愛媛県に入るのが少々惜しいくらいだ。私は心地良い満足感感に酔いしれながら、高知県最後の夜を満喫した。